相続税法の非課税財産
1.墓地、墓石、仏壇、仏具等礼拝の用に供するもの
2.宗教、慈善、学術その他公益活動を行う個人が取得した財産で当該公益活動のために使用するもの
3.心身障害共済制度に基づく給付を受ける権利
4.生命保険金等の一定額(500万×法定相続人数)
5.退職手当金等の一定額(500万×法定相続人数)
6.個人経営の幼稚園に使用していた財産で相続人が引き継ぐもの
7.相続税申告時までに国、地方公共団体または公益団体に寄付した財産並びに公益信託とした財産
措置法に基づく非課税財産(措置法70条1項)
1 非課税となる場合
1.相続等により取得した財産を以下に贈与した場合には非課税となる
①国、地方公共団体
②特定の公益法人等
日本赤十字社、学校法人、社会福祉法人、独立行政法人、一定の非営利法人
③公立の学校等国又は地方公共団体の設置する施設の建設又は拡張等の目的のために設立された後援会等
*最終的に国、地方公共団体に帰属することが必要
④認定NPO法人
⑤特定地域雇用等促進法人
2.特定公益信託のうち一定のもの
3.国等に低額譲渡した場合
相続財産等を著しく低い価格で国等に譲渡した場合は、贈与とみなすことが可能だから、譲渡財産の価格から対価を控除した価格について非課税となる。
2 課税される場合
以下に贈与しても課税される
①国または地方公共団体が出資して設立された団体(国、地方公共団体への贈与は非課税)
②公益法人設立のための贈与(すでに設立されている公益法人への贈与は非課税)
③認定のなされていないNPO法人
④宗教法人(菩提寺等)
債務控除
1 債務控除の対象となる債務
1.債務控除の対象になる債務は、確実と認められるものに限る
また、相続人または包括受遺者のみが対象となる(相続放棄者でも葬式費用の負担したものは対象となる)
2.債務控除の対象とならない債務
①墓所、霊廟、祭具等の取得、維持または管理のための債務
②公益事業用財産の取得、維持または管理のための債務
③相続財産に関する費用
④消滅時効の完成した債務
3.保証債務の取扱
①原則→債務控除されない
②主たる債務者が弁済不能であったり、求償しても返還されない場合は債務控除される
4.連帯債務の取扱
①負担金額が確定している時はその額は債務控除される
②連帯債務者の中に支払不能者がいたり、求償しても返還されないときなど、他の債務者の負担分を負担する時にはその額が債務控除される
2 債務控除の対象となる公租公課
債務控除の対象となる公租公課
(1)被相続人の死亡の際、債務の確定しているものの金額
(2)被相続人の死亡後相続税の納税義務者が納付し、又は徴収されることとなった税額
債務控除の対象とならない公租公課
相続人または包括受遺者の責めに帰すべき事由により納付または徴収されることになった延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税および重加算税に相当する税額
葬式費用
葬式費用として控除する金額
(1)葬式に際し、またはその前に、埋葬、火葬、納骨または遺骸もしくは遺骨の回収その他の費用
(2)葬式に際してお布施した金品で相当な額
(3)葬式の前後の出費で通常の葬式に伴うもの
(4)死体の捜索又は死体もしくは遺骨の運搬費用
葬式費用として控除されないもの
(1)香典返戻費用
(2)墓碑および墓地の買入費用または借入料
(3)法会費用
(4)医学上又は裁判所の特別費用