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相続税の未成年者控除

未成年者控除とは

1.次の要件をすべて満たす者について、未成年者控除が適用される

 

①相続または遺贈により財産を取得した者

②居住無制限納税義務者または非居住無制限納税義務者

③法定相続人

④20歳未満の者

 

2.未成年者控除額

 

6万円×(20歳-相続開始時の年齢*)

*1年未満の端数切り捨て(生後6ヶ月などは0として計算)

 

3.注意点

①相続を放棄し遺贈により財産を取得した者にも適用される

②民法上婚姻により成年に達したとみなされた者にも適用される

③胎児が生きて生まれてきた場合には、120万円が控除される

 

扶養義務者からの控除

1.未成年者控除額が、未成年者の税額を超える場合には、超過額については、同一の被相続人からの相続または遺贈をうけた扶養義務者の税額から控除することができる。

 

2.扶養義務者とは

①配偶者

②直系血族

③兄弟姉妹

④家庭裁判所の審判により扶養義務者となった三親等内の親族

 

3.控除額の計算(2人以上いる場合)

 

控除超過額×扶養義務者の税額(税軽減後)÷扶養義務者全員の税額(税軽減後)

 

既に未成年者控除の適用を受けている場合

母親の相続において未成年者控除を受けているものは、父親の相続において未成年者控除額が制限されるなど、未成年者控除額は、はじめに未成年者控除の適用を受けた時の限度額までしか適用されない。

つまり生後5ヶ月の小児が未成年者控除60万円を受けたとすると、120万円まで控除が受けられたわけであるから、120万-60万円=60万円までしか、次の未成年者控除は受けられないことになる。

 

《既に未成年者控除の適用を受けている場合の控除額》

1.6万円×(20歳-今回の相続開始時の年齢)

2.6万円×(20歳-前回の相続開始時の年齢)

3.1,2のいずれか少ない金額を控除