(1)相談(聞き取り)受任
・減殺の債務の状況、経緯、収入状況、家族構成、生活状況等を最低限聞き取る
(2)債務の確定
・各債権者に対して代理人就任の通知をし、過去の取引履歴の開示請求をする。
・グレーゾーン金利で借り入れを行っている場合、利息制限法の定める上限金利を超える部分の支払い済み利息を元本に充当していき、現在の残債務額を確定する作業(引直計算)をする。
(3)債務の処理
・債務総額と債務者の収入等を総合考慮し、処理方針を決定する。
(1)任意整理
ア.一括払い・分割払い
各債権者と個別に交渉し、支払い総額・支払期間・支払金額・支払日等を決める。
イ.消滅時効の援用
債権者が商人の場合は5年、個人である場合は10年で債権は時効消滅する。
ウ.過払金請求
任意交渉、訴訟提起、裁判外での和解
(2)特定調停
・債務者本人が弁護士・司法書士を立てないで債務整理する場合によく用いられる。
当事者の合意が必要となる。
(3)民亊再生
ア.債務額を圧縮して法的に整理する方法。
イ.将来的に支払いが不能となるおそれのある債務者を対象とする。
ウ.小規模個人再生では、破産手続開始の原因となる事実の生じる恐れがあり、将来的に継続的かつ反復して収入を得る見込みがあり(パート、アルバイト、年金でより)債務総額が5000万円以下の条件がある。
給与所得者個人再生では給与等の定期的な収入の見込みがあり、変動が小さいことが条件に加わる。
エ.住宅資金貸付債権特則を付し、住宅ローン債権のみ別枠で処理する方法もあるが、住宅資金貸付債権は圧縮されない。
(4)自己破産・免責
ア.完全に支払い不能の場合、処分可能な財産を換価して各債権者に配分し、残額を免責してもらう。
イ.管財事件と同時廃止事件に分かれる。
管財事件は管財人が選任され、資産と負債を調査の上、債権者への配分手続きが行われる。
同時廃止事件は、破産開始決定と同時に破産廃止となる。
ウ.免責許可決定により責任を逃れるが、免責不許可事由があり、浪費、賭博による債務、不平等弁済に注意する。
(1)「個別学説」と「総額説」
↙100 A
個別学説 Y ←100 B 債権者ABCごとに債権額を算定
↖100 C
↙100 A
総額説 Y ←100 B 債権者ABCの総額をもって「紛争の目的の価額」とする
↖100 C
(2)「受益額説」と「債権者主張説」
①受益額説
・債務弁済協定調停や特定調停の場合と同様に考える
・残債額ではなく、弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益
・ex「900万円の貸金を3年後に一括払いすう弁済計画」における紛争の目的の価額は
900万円×0.05×3年=135万円
②債権者主張額説
・上記の事例では900万円が目的の価額となる
(3)「個別訴訟物説」と「合算説」
①個別訴訟物説
・債権者の請求額が金100万円であるが、利息制限法に基づき計算すると金50万円の過払であったとき、過払金請求額の50万円を紛争の目的額とする。
②合算説
・上記の例では請求額の消滅した金100万円と過払金50万円を合算した金150万円とする。
*最高裁の判決は「債権者主張説」かつ「個別学説」のようである。