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信託条項の考え方

事例とスキーム

1.家族関係

母:A子80歳(夫はすでに死亡している)

子:C男52歳

C男の子:D男26歳

子:B男57歳

B男の子:Y男30歳

 

2.家族の状況

(1)A子は、一人暮らしで年金とアパート収入で暮らしている

(2)B男は3年前に交通事故で半身不随となり、2年前に離婚。現在はグループホームで暮らしているが、判断能力の低下は見られない。これまでA子から数千万円の贈与をうけており、すでに遺留分を超えている。

(3)Y男は父の離婚後、1度も父を見舞うこともなく、手紙もよこさない。

(4)C男とD男は仕事に就き、定期的にA子及びB男を見舞いをしている。

 

3.A子の財産状況と希望

(1)財産状況

①自宅(土地・建物)

②賃貸アパート(土地・建物)

③預貯金

④賃貸アパート建築時の借入残債務(3年後に完済予定・抵当権設定登記済)

(2)希望

①資産はY男に承継させたくない

②判断能力低下に備えて、今からC男に財産管理を任せたい

③A子の死亡後には、B男の療養費や生活費については、不足分の填補程度の一定の支援継続をC男に任せたい

④B男の死亡後にはC男またはその子に資産を承継したい

 

4.信託スキーム

①A子を委託者兼受益者とし、C男を受託者として信託契約を結ぶ

②信託契約でアパート建築債務を受託者であるC男が引き継ぐ

③A子が死亡した後は、受益者をB男とC男とする

④C男が死亡した後は、D男が受託者となる

⑤信託終了後の残余財産はC男またはD男の帰属とする

 

信託条項の考え方

1 信託の目的(信託法2条Ⅰ)

(1)受託者が受益者のために信託事務を行う上で指針となるもの。

受益者が複数となる場合や、第2次受益者以降の受益者を、個別箇条書きすることも考える。

(2)受託者が永続的に、受託者のみの利益を図る目的であってはならない。(法2条Ⅰ括弧書)

(3)委託者の希望を反映するため、資産を処分せずに次代に引継ぎたいのか、守りたい親族のためなのかなど目的をよく確認する必要がある。

 

2 信託財産・信託財産責任負担債務(法2条Ⅲ・Ⅸ)

信託財産は、受託者によって、信託目的に沿って、財産の管理・運用・処分が可能となるのであり、受託者に帰属する。

 

(1)金融機関預貯金を信託財産に組み入れることの可否

約款上は譲渡禁止債権とされているため、「委託者は、本信託契約後ただちに信託目録記載の預金口座を解約の上、その全額を受託者に引き渡す」等の条項を入れて対応する。

 

(2)将来取得する資産や債権(年金受給権・給与債権等)を信託財産に組み入れることの可否

将来取得する資産も特定できるのであれば信託財産に組み入れることは可能と考えられるが、受給権や給与債権そのものを組み入れるのではなく、実際に取得後に追加的に信託することで対応する・

①年金受給権

譲渡禁止債権とされている

②給与債権

譲渡可能債権であるが、譲受人が給料を直接請求することができず、譲渡人が受領後に譲受人に渡すことができる。

 

(3)信託財産責任負担債務

①信託法による信託財産責任負担債務の範囲と対応

債務の信託が可能かどうかは意見が分かれているが、実務上は信託条項に定めた上、債務引受契約(免責的、重畳的)を必要とする。

②信託法によらない、信託財産の負担

ⅰ公租公課

ⅱ敷金返還債務

 

3 受託者

(1)受託者の地位の相続

受託者が死亡した場合、相続人は新受託者や信託財産管理人が引き継ぐまで信託財産を保管する義務がある。(法60条Ⅱ)

①信託行為により次順位の指定や選任方法があればそれに従う。

②信託行為に指定がない場合、委託者と受益者の合意により選任し、委託者が存在しないときは受益者が単独で選任できる。

③利害関係人は裁判所に受託者の選任申立ができる。

④受託者が不在となっても直ちに信託は終了せず、信託財産は法人となる。

 

(2)複数の受託者を定める場合

複数の受託者を置く場合、信託財産は合有となり、保存行為以外は過半数で決する。

信託行為で受託者の職務分掌を定めることができる。

 

(3)受託者の報酬

民事信託においては受託者が親族となることが多いため、無報酬とすることが多いが、受託者のモチベーション維持のため有償の定めをすることも多くなっている。

 

4 受益権・受益者

(1)受益権の譲渡姓(法93条)

受益者は受託者の承諾なく受益権を譲渡することができる。

ただし、その性質上譲渡できない場合や、信託行為で譲渡を禁止した場合には譲渡できない。

 

(2)受益権の相続

受益権は相続されるが、信託目的によっては信託終了原因となる。(法163・164条)

例えば、受益者の生活支援を目的としていた信託の場合は、受益者の死亡により終了すると思われる。

 

(3)遺言代用信託(法90条)後継遺贈型受益者連続信託(法91条)

当初の受益者の死亡により、他の者が新たに受益権を取得する旨の定めがある場合、新たな受益者は当初の受益権を承継するのではなく、別の受益権を取得するものと考える。

 

(4)受益権と受益債権の区別(法2条ⅵ・ⅶ)

①受益債権

信託財産に属する財産から経済的利益を享受する債権

②受益権

受益債権と受託者を監督する権利等ならびに信託の意思決定権を包含したもの。

 

(5)受益者複数の場合

①受益権の割合

信託行為に定めがない場合、受益権の税務上の割合は均等とする

②受益権の複層化(分離型)

ⅰ収益受益権

信託に関する権利の内、信託財産の管理運用による利益を受ける権利

ⅱ元本受益権

信託に関する権利の内、信託財産自体を受ける権利

③意思決定

複数の受益者の意思決定は原則として全員一致で行う。

例外として受益者集会における多数決の制度がある。

 

(6)受益証券・受益権証書の発行

①受益証券

信託行為で定めることで、受益権を表象する有価証券(受益証券)を発行できる。

特定受益証券発行信託以外の受益証券発行信託では、自益信託であっても、受託者に財産が譲渡されたとみなされて受託者に課税されるため、課税関係が生じないことを念のために定めておく条項が見られる。

②受益権証書

信託法上に規定はないが、受益者に受益権の存在を証する書面として交付されるもの。

 

5 委託者の地位の相続

契約に基づく信託は、委託者の地位の相続が認められる。

委託者の地位を相続させない対応を取る場合には、委託者の権限に期限を設ける条項を設定する。

 

cf)遺言信託は、信託契約に別段の定めがないときは、委託者の地位を承継しない。

 

6 信託関係人等

(1)信託監督人(法131~137)

受託者の監視・監督権限行使のみ。

受益者のために自己の名で、信託法92条各号(⑰⑱㉑㉓除く)の権利に関する一切の裁判外・裁判上の行為をする権利。

(2)受益者代理人(法138~144)

受益者の権利に関する一切の裁判外、裁判上の行為をする権限

(3)指図権者(法65、66)

受託者に対して信託財産の給付内容を指図できるが、信託行為により具体的な権限を定める必要がある。

 

7 信託期間・信託計算期間

(1)信託期間

信託開始時期と信託終了時期を明確にするため、「信託終了事由」とは別条項で定める。

 

(2)信託計算期間

信託財産に係る帳簿等を作成しなければならず(法37)、毎年1回信託計算規則の定める書類や財産状況開示資料を作成しなければならないため、計算期間を明確にする。

 

8 信託事務・受益債権の給付方法

信託財産の管理処分方法や受益者への受益債権の給付方法など受託者の任務の内容を記載する

 

(1)信託費用(法48・49)

①信託費用の前払い

受託者は信託事務の処理のため、特別の定めがない場合、信託財産からその費用を前払いで受取ることができる。

受託者は受益者との合意がない限り、受益者から費用の償還や前払いを受け取れないため、信託財産の収益から支払いに充てるか、信託財産を処分することを検討することになる。

②第2次受益者が負担する相続税は信託費用か?

後継遺贈型受益者連続信託における第2次受益者の負担相続税につき、信託財産の財産権自体に付随する公租公課として信託費用とする考えと、受益者への受益債権の給付とする考えに分かれる。

 

(2)第三者への委託(法28)

 受託者が信託財産の管理・運用・処分に専門知識が必要な場合などに、第三者に委託することが認められている。

 

9 受託者の義務・報告等

(1)忠実義務(法30)

①競合行為の禁止

②利益相反行為の禁止

 

(2)善管注意義務(法29)

信託行為で軽減の定めを設定できる

 

(3)公平義務(法33)

信託行為の内容で受益者間に格差があるときにそれに従うのは公平義務に反しない

 

(4)信託財産の分別管理義務(法34)

①金銭②不動産(登記する)③自動車(登録する)

 

(5)自己執行義務・委任可能(法35・28)

(6)帳簿等の作成保存義務・報告義務(法37・信託計算規則4Ⅵ)

(7)受託者の免責事由の設定条項例

①「受託者が事務処理に善管注意義務を尽くした場合には、当該事務処理による信託財産の価値下落または収支の悪化その他の損害の責任を負わない」

②「受託者が信託事務の全部又は一部を委託する場合に、委託先を適切に監督指導するものとし、委託先の債務不履行の責任を負う。ただし委託先の監督指導に過失がないことを証明したときは責任を負わない。」

 

10 信託の変更(法149)・合意による終了(法164)

信託は長期にわたる、財産の管理運用処分となるため、想定外の事情にも備えておく。

(1)変更

信託の内容は当事者の合意により変更できるが、別段の定めにより合意がなくても変更できる場合がある。(法149Ⅳ)

ただし、受益者の保護のため、受益者の権利行使を制限する規定の設定が禁じられており(法92)、重要事項が変更される場合には、受益者は受益権を買い取るように請求する権利がある。(法103)

 

(2)委託者及び受益者の合意による終了

信託法上は信託終了事由のⅠつである。

合意による終了事由条項を定めるかどうかは、個別に検討する。

 

11 信託の終了・清算・残余財産の帰属

(1)清算受託者と清算事務

信託の終了命令により裁判所が清算受託者を選任(法173)した場合以外は、従前の受託者が清算受託者となるのが原則

清算事務は受託事務とは内容が異なるため、誰が清算人になるかおよびその仕事の内容を明確にしておくべきである。

 

(2)残余財産受益者または帰属権利者の定め

①残余財産受益者

「信託終了時の残余財産の給付を受ける」という受益債権を有する受益者

②帰属権利者

信託終了時から清算結了まで受益者として権利を有する者

③残余財産受益者または帰属権利者の定めがない場合(法182Ⅱ・Ⅲ)

 

金銭及び不動産管理処分等信託契約書(例)

委託者A子は、次の通り別紙「信託財産及び信託財産責任負担債務目録」記載の財産を信託し、受託者C男はこれを引き受け(以下この契約を「本信託契約」といい、本信託契約に基づく信託を「本信託」と言う)、また本信託契約に伴い同目録記載の債務を信託財産責任債務としてこれを引き受ける。

 

第1条(信託の目的)

本信託契約の目的は以下のとおりとし、これを実現するため、受託者は次条記載の信託財産の管理運用処分を行うと共に、信託財産責任負担債務を履行する。

(1)受益者らの生活基盤を固め、安定した生活・療養及び福祉の確保のため、終生支援すること。

(2)次代へ確実に資産を承継すること。

第2条(信託財産および信託財産責任負担債務等)

1.別紙「信託財産及び信託財産責任負担債務目録」記載の不動産及び金銭を信託財産とする。

2.前項の信託財産から生じる果実及び換価による取得財産は、信託財産に帰属する。

3.受託者は、信託財産に属する不動産のうち、賃貸用不動産において、既に賃貸借契約がなされている賃貸人としての地位を委託者から承継する。

4.受託者は、別紙「信託財産及び信託財産責任負担債務目録」記載4.の債務を信託財産責任負担債務として引き受ける。

第3条(受託者および信託報酬)

1.受託者は次の者とする。

(住所)      (氏名)C男(生年月日)

2.前項の受託者につき、本信託の定めによる辞任、解任、死亡その他の事由により、任務が終了したときは、次の者を後任受託者とする。

(住所)      (氏名)D男(生年月日)

3.受託者の報酬は、月額◯円とする。

第4条(信託財産の引渡しおよび分別管理等)

1.委託者及び受託者は、本信託契約締結後速やかに、第2条第1項の信託財産について引渡を行い、また、本信託に基づく受託者への所有権移転登記及び信託の登記手続き、並びに受託者名義の信託専用口座開設など自己の固有財産と分別して管理するための必要な手続き等を行う。

2.委託者及び受託者は、本信託契約締結後速やかに、第2条第4項の信託財産責任負担債務について、債権者と債務引受に関する手続きを行う。

3.前各項の手続きに必要な公租公課その他の費用は、委託者の負担とする。

第5条(公租公課の精算)

信託財産に属する不動産(以下「信託不動産」)にかかる固定資産税及び都市計画税の負担は、1月1日を起算日として、本信託の効力発生日前日までの期間相当分は委託者の負担とし、効力発生日以降分は信託財産の中から支出する。

第6条(追加信託)

委託者は、本信託の信託目的を達成するために、財産を追加信託することができる。この場合、追加された信託財産の管理・運用・処分は本信託の定めに従うものとする。

第7条(受益者および受益権)

1.本信託の当初受益者はA子とする。

2.上記委託者兼当初受益者が死亡したときは、当初受益者の有する受益権は消滅し、次の通り第2次受益者が、新たに受益権を取得する。

(1)A子の長男B男(生年月日)につき、信託財産に属する財産の収益から第13条の費用を差し引いた額の内月額10万円の給付を受ける権利。但し、これにより給付を受けることができない場合は、信託財産に属する金銭(以下「信託金銭」)から給付を受けることができる。

(2)A子の次男C男(生年月日)につき、次のとおりとする。

①信託財産に属する財産の収益の内、前号の額を除いた金員の給付を受ける権利

②信託財産に属する財産の元本に関する権利

3.A子の死亡前にC男が死亡したときは、前項によりC男が取得する受益権は消滅し、D男(生年月日)が新たに受益権を取得する。

4.第2次受益者C男が死亡したときは、C男が有する受益権は消滅し、D男が新たに受益権を取得する。

5.第2次受益者B男が死亡したときは、B男が有する受益権は消滅し、C男(C男が死亡しているときはD男)が新たに受益権を取得する。

6.A子の死亡前にB男が死亡したときは、A子の死亡により、A子の有する受益権は消滅し、C男(C男が死亡しているときはD男)が新たに単独で受益権の全てを取得する。

7.第2次以降の受益者は、それぞれが負担する相続税等相当額につき、信託金銭から給付を受ける。

8.受益者が複数存在する場合の意思決定は、信託法第92条各号に掲げるものを除き、受益者全員の一致によるものとする。

第8条(受益者への給付)

受託者は、次の通り受益者らへの給付を行う。

(1)当初受益者に対する給付は、その要求の都度、受益者及び受託者が相当と認める方法で行う。

(2)第2次以降の受益者に対する給付は、少なくとも3ヶ月に1回送金により行う。

第9条(受益権の処分および相続)

1.受益者は、受益権の譲渡又は質入その他の担保設定等の処分をすることができない。

2.受益権は、受益者の死亡により相続人に承継されない。

第10条(委託者の地位の相続)

委託者が死亡したときは、委託者の地位及び権能は相続人に承継されず消滅する。

第11条(信託期間)

本信託の期間は、本信託契約締結時から第17条又は第18条による本信託終了の時までとする。

第12条(信託財産の管理・運用・処分の方法)

1.受託者は次の方法により信託財産に属する財産の管理・運用・処分を行う

(1)信託不動産は、居住用として第7条の受益者に使用させ、または賃貸用不動産として、受託者が相当と認める方法、時期及び範囲において管理・運用する。

(2)信託不動産には、損害保険を付保するものとし、信託期間中これを維持する。

(3)信託不動産の収益及び信託金銭については、預貯金として管理する。

2.受託者は、信託の目的に照らして相当と認めるときは、信託不動産の換価処分・増改築・建替えをすることができる。また、信託費用及び信託財産責任負担債務等の支弁のために借入をし、さらに借入れに伴い信託不動産に担保を設定することができる。

第13条(信託事務処理に必要な費用)

受託者は、信託財産をもって、次の各号に掲げる費用を支出し、またはこれを留保することができる。

(1)公租公課

(2)信託不動産に関する保険料

(3)信託不動産に関する修繕費等

(4)振込手数料

(5)受託者に過失なくして受けた損害賠償請求による賠償金

(6)受託者の信託報酬

(7)その他、前条及び次条の事務を遂行する上で発生する費用

第14条(委託)

1.受託者は、信託事務の一部につき、専門能力を有する第三者に委託することができる。

2.受託者が信託事務の一部を第三者に委託したときは、委託先を適切に指導・監督するものとし、委託先の債務不履行責任について責任を負う。ただし、委託先の指導・監督に過失がないことを証明した場合はこの限りではない。

第15条(信託の計算期間)

信託財産に関する計算期間は、本契約締結の日から12月末日までとし、以後毎年12月末日、及び信託終了日までとする。

第16条(受託者の義務等と報告)

1.受託者は、本信託の目的に従って、忠実に信託事務の処理その他の事務を行い、かつ善良なる管理者の注意をもって信託事務を処理する。

2.受託者は、本信託開始と同時に、①信託財産目録②会計帳簿を作成し、本信託の効力発生日から12月末日まで、以後毎年12月末日に、受益者に報告する。

3.受益者は、受託者に対し、前項以外に置いても適宜信託事務の処理状況及び信託財産の状況の報告を求める事ができる。

4.受託者は、受託者の責に帰すべき事由による場合を除き、本信託期間中、信託不動産に生じた瑕疵や、瑕疵があることが原因で受益者に生じた損害等については、責任を負わない。

第17条(信託の変更・協議による終了)

受益者と受託者の同意により、本信託の目的に反しない範囲で本信託の内容を変更し、または将来に向かって終了することができる。

第18条(信託の終了)

本信託は、次の各号に定める場合に終了する。

(1)受託者が、受益権の全てを固有財産として有するに至った時

(2)その他、信託法の定める終了事由に該当する時(信託法第164条1項の場合を除く)

第19条(信託終了時の清算事務および残余財産の帰属)

1.本信託が終了したときは、信託終了時の受託者を清算受託者とする。

2.清算受託者は、次の清算事務を行う

(1)信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務を弁済し、残余財産を第4項に定める者に引渡し、かつ、残余財産に不動産がある場合は、信託登記の抹消及び帰属権利者への所有権移転登記を行う。

(2)不動産にかかる賃貸借契約、保険契約その他の一切の権利義務を残余財産を帰属させる者に承継させる変更手続きを行う。

3.清算受託者は、前項の清算事務につき、信託財産状況報告書を作成し、次項の権利帰属者に交付する。

4.本信託が終了した時の帰属権利者は、信託終了時に信託財産の元本に関する給付を受ける受益債権を有する受益者とする。

第20条(契約に定めのない事項)

本契約に定めのない事項については、受益者及び受託者は、本信託の本旨及び信託法規定等に則り誠実に協議する。

 

信託財産および信託財産責任負担債務目録(例)

1.(居住用不動産)

(1)所在〇〇 地番〇〇 地目〇〇 地積〇〇

(2)所在〇〇 家屋番号〇〇 種類〇〇 構造〇〇 床面積〇〇

2.(賃貸用不動産)

(1)所在〇〇 地番〇〇 地目〇〇 地積〇〇

(2)所在〇〇 家屋番号〇〇 種類〇〇 構造〇〇 床面積〇〇

3.金銭 金◯千万円

4.信託財産責任負担債務として引受ける債務

(1)上記2.賃貸用不動産の賃貸借契約に基づく敷金返還債務

(2)債権者株式会社〇〇銀行〇〇支店に対する平成◯年◯月◯日付け金銭消費貸借にかかる債務

(〇〇地方法務局平成◯年◯月◯日第〇号上記2.の不動産抵当権設定登記済)